Microsoftは先日開催された開発者会議「Build 2023」で、さまざまな発表を行いました。
Windows CopilotやEdgeブラウザの再設計、ファイルエクスプローラーのデザイン変更など、さまざまな新機能が発表されたなか、Windows 11に、RAR形式を含むさまざまなアーカイブファイルフォーマットのネイティブサポートを追加するという、さりげない発表も注目を集めています。
RARフォーマットは、30年前にロシア人エンジニア、Eugene Roshal氏によって作成され、アーカイバソフト「WinRAR」と共に、現在でも、Windowsで人気が高いファイルフォーマとして知られています。
WinRARは現在ドイツに拠点を置く会社win.rar GmbHによって開発されており、WinRARセールスチームのLouise Cusworth氏が、Microsoftの発表に関するコメントを電子メールで提供した事が分かりました(Neowin)。
メールの内容は以下の通りです。
It's taken Microsoft 30 years to implement support for RAR files into the Windows OS, and we were taken by surprise by the announcement, but now we're wondering if they're considering providing the RAR engine in 30 years, too?
マイクロソフトがWindows OSにRARファイルのサポートを実装するのに30年かかったので、その発表には驚かされましたが、今度は30年後のRARエンジンの提供も考えているのでしょうかね？
Microsoft announced many other features for the next Windows 11 release, but obviously the part about the support for different archives and for .rar, in particular, created a big splash on the internet.
マイクロソフトは、次のWindows 11のリリースに向けて、他にも多くの機能を発表しましたが、明らかに、さまざまなアーカイブと、特に.rarのサポートに関する部分は、インターネット上で大きな話題を呼びました。
First of all, we feel honoured with Microsoft's decision. This will hopefully make RAR compression even more popular and more accessible to those users who are not familiar with WinRAR.
まず第一に、私たちはマイクロソフトの決定を光栄に思っています。これにより、RAR圧縮がさらに普及し、WinRARに馴染みのないユーザーも利用しやすくなることを期待しています。
Are we concerned? Of course we are, because we are a small company and Microsoft is a big international multi-billion dollar company with a lot of power. However, others might be even more concerned about Microsoft's decision.
私たちは心配しているのでしょうか？もちろん、私たちは小さな会社であり、マイクロソフトは大きな力を持つ国際的な数十億ドルの大企業だからです。しかし、他の人たちは、マイクロソフトの決断をもっと心配しているかもしれません。
When searching on Google for "how to open rar files", we see the advertisements of our competitors; this could become obsolete in the future, but we simply don't know.
Googleで "how to open rar files"と検索すると、競合他社の広告が表示されます。これは将来的に陳腐化するかもしれませんが、単に私たちが知らないだけです。
Although users will still need WinRAR to create RAR files, they'll no longer need it to open their .rar files (which was never exclusive to WinRAR anyway), but, hopefully, there are enough people out there who will continue to support a small software company like us, so that we can continue to develop WinRAR for a long time to come!
ユーザーはRARファイルを作成するためにWinRARを必要としますが、.rarファイルを開くためにWinRARを必要としなくなります（これはWinRAR専用ではありませんでした）。しかし、願わくば、我々のような小さなソフトウェア会社をサポートし続けてくれる人が十分に存在し、我々が将来も長くWinRARを開発し続けてくれることを願っています！
Your article and the many others that are now popping up online, introduce both challenges and benefits for our business. We need to keep developing WinRAR to make it even more attractive to users, and we have just released the Beta version for WinRAR 6.22 and are currently working on a major upgrade, which will hopefully be ready by the end of the year.
あなたの記事と、今オンラインで話題になっている他の多くの記事は、私たちのビジネスにとって課題と利点の両方を紹介しています。私たちは、WinRARをさらに魅力的なものにするために開発を続ける必要があり、WinRAR 6.22のベータ版をリリースしたばかりですが、現在メジャーバージョンアップに取り組んでおり、できれば年末までに完成させたいと思っています。
同氏は、今回の発表を前向きにとらえ、「Microsoftの決定を光栄に思ってる、RAR圧縮がさらに普及し、WinRARに馴染みのないユーザーも利用しやすくなることを期待している」と説明しています。
実際、Windows 11がサポートするのは、RARアーカイブを開く機能だけで、作成機能は今のところ実装される予定はありません。当面はWinRARが完全に不要になるわけではなく、Windows 11のサポートによってRAR形式が普及し、さらにWinRARの需要が高まる可能性も考えられます。